コロ助は本日、地域の子育て支援施設で英語のイベントを行ってきました。こちらはボランティアで月に1回行っています。
1才のお子さんを持つ参加者のママさんから、お家で英語に取り組む際は「映像はあまり観せない方がいいですか?」という質問を受けました。
生の体験を大切に
モンテッソーリ教育をまだ知らなかった頃は、映像は時間を区切ってサスケ(息子)に見せていました。主に、英語のベビーサイン( ベビーサイニングタイム)のDVDです。
しかし、モンテッソーリ教育と出会ってからは、できるだけ「映像」を制限するように意識しました(サスケの成長に合わせて、今は見せる時間を調整しています)。
「生の体験」を大切にするモンテッソーリ教育では、幼い内は、「映像は、見せない方がよい」と考えているからです。
例えば、「動物」のDVDを見るなら、動物園へ行って、「本物の動物」を見た方がよいと考えます。
「お花」を写真や映像で見るよりも、実際に手にとって、匂いをかいだり、色を自分の目で見た方が、得られる情報は多く、お子さんが学ぶことが多いからです。
お子さんのことを考えると、一番よいのは、「生の体験」です。
英語圏で、英語のネイティブスピーカーと生活するのが理想ですが、そうできない時、どのようにして、英語のインプットを得たらよいでしょうか?
インプットの与え方。「映像」それとも「音声」?
「映像」を見せることの「危険性」
脳へのインパクトが大
深夜の健康グッズを売っている番組。以前コロ助は、その番組で紹介されている商品を見ながら、「絶対に買わないな〜」「誰が買うんだろう?」と言いながら見ていました。
しかし、何度もその製品を見るうちに、気づけば買っていたのです。
「映像を見る」ことは、そのイメージが脳へ直接伝わりますので、強いインパクトをもたらします。
モンテッソーリ教育は、映像は「刺激が強すぎる」と言います。「強い刺激」ばかり受けていると、「本当に大切な、シンプルで素朴なものの良さ」が分からなくなってしまうと言います。
食事でも、濃い味付けのファーストフードやスナック菓子ばかり食べていると、素材そのものの味や風味、素朴な出汁の味が分からなくなるといいますよね。それと同じです。
受け身になってしまう
「映像」を見ている間は、どうしてもお子さんは「受け身」になってしまいます。楽しんで見ているようにみえても、「生の体験」と比べて、頭を使っていません。
「3つ子の魂百まで」と言うように、幼い頃の学習が、その子の人生の土台を作ります。
大切な時期だからこそ、「映像」ばかり見せるよりは、外へベビーカーでお散歩に出かけて、季節の匂いを感じたり、鳥のさえずる声を聞いたり、お友達と一緒に遊んだりする方が、学びははるかに大きくなります。
「映像」よりは、「音声(CDなど)」を
「映像」を見せるよりは、CDによる「かけ流し」をおすすめします。
音声のメリット
「映像」と違って、BGMとして「かけ流す」ことができるので、「映像」のように、「テレビの前から動かない」ということはありません。他のことをしながら聴くことができます。
例えば、
- お子さんが一人遊びをしている時
- 車の中で
- 家事をしている時
かけ流すことができます。
「生の英語」は無理だけれども、しっかりと「インプット」を確保して、「英語回路を作りたい」「語彙を学んで欲しい」と思われる方に、音声(CD)のかけ流しはおすすめです。
音声を流す時のポイント
BGMくらいの音量で流す
お子さんに聴かせたいからといって、「大きな音量」で流すのはおすすめできません。音が耳障りで、むしろ嫌いになってしまいます。
小さな音でも、「脳」はしっかりと聴いていますので、BGMくらいの音量が適切です。
音声のかけ流しで育つ力
- 聞く力が育つ
- 想像力・イメージ力が育つ
- 集中力がつく
- 考える力が育つ
聞く力が育つ
音声の場合、聴いていることの「映像」はありませんので、耳から入る情報だけが頼りとなります。そのため、必然的に「聞く力」が育ちます。
「映像」がある場合は、どうしても「目」に頼りがちになってしまいます。
想像力・イメージ力が育つ
「映像」だと、例えば、主人公の髪の色や目の色、姿格好を目で見て理解します。しかし、音声の場合は、耳から「ことば」で入ってきた情報を、自分なりに想像して、イメージ化します。
また、「ことば」で表現されていない部分も、想像力を働かせて、イメージ化します。そのため、「想像力」「イメージ力」が育ちます。
集中力がつく
「かけ流す」場合は、BGMとして流しているので、集中して聴いていることは少ないかもしれません。
しかし、興味のある「お話」を流している時は、お子さんは「集中して聴く」ことがあります。
サスケもお話を集中して聴いていることがあります。その時は、おもちゃで遊びつつも、手が止まっています。30分以上のお話を集中して数本聴く時もあります。
「音声を聴く」ことを通して、「集中力」が育っていると感じます。
考える力が育つ
「映像」の場合は、どんどん映像が変わっていき、目からの情報が多く入るため、「頭を働かせて考えるゆとり」がありません。
しかし、音声の場合は、「耳」からしか情報が入ってこないため、「このことばはどういう意味だろう?」「主人公はどんな気持ちだっただろう?」と頭を働かせるゆとりがあります。
コロ助も毎日音声を流して聴いています。すると、色んな疑問が湧いてきます。聴きながら、「考えること」ができ、「考える力」も育ちます。
音声を「かけ流す」時の注意点
「音声」ならばよいからといって、ストイックになってはいけません。1日中ずっとかけ流すような極端なことを辞めましょう。
お家は、まずご家族にとって心地よい空間でなくてはなりません。そして、「ゆったり」「のんびり」お子さんと向き合う時間が必要です。
親子のスキンシップを取りつつ、隙間時間に「かけ流し」を行うのがよいと思います。
映像を見せる時に注意すべきポイント
映像を選んで見せる
それでもやはりこのご時世。お子さんに映像を見せる機会はあるでしょう。おもちゃ屋さんに行っても、小さなモニターにCMがたくさん流れています。
幼い頃は、スポンジが水を吸うように、「見たもの」どんどん吸収していきます。しかし、まだ幼いので、「物事の良し悪し」を自分だけで判断することができません。
そのため、お子さんが「目にするもの」は、保護者の方が選んであげなくてはなりません。
「お子さんに見せてもよい映像かどうか」吟味してから見せるべきでしょう。
時間を区切って見せる
また、ある程度お子さんが成長し、「映像」を見せるようになった場合も、しっかりと時間を制限することが大切です。
「英語のインプットが得られる」からといって、何時間も「映像」を見せるのは、よくないと思います。
以前「親子英語仲間」と会った時に、3歳のお子さんに3時間英語番組を見せているという方がいました。さすがに、それは長すぎると感じました。
「英語が話せる」の前に、忘れてならないのは、お子さんが、「人として豊かに成長すること」。
3時間も見ていたら、目にも悪いし、疲れるし、頭はその時間働いていません。そして、刺激は強すぎます。
楽だからといって、見せすぎには注意です。
(とはいえ、コロ助がダウンした時は、「映像」には本当にお世話になっています)
できることなら「生の体験」を。
難しい場合は、BGMとして隙間時間に「音声」のかけ流し。
そして、映像は「内容を選んで」「時間の制限」を忘れずに!