読書と学力の関係性
「読書は良いもの」とは分かってはいますが、果たして、「読書」と「学力」に関係性はあるのでしょうか?
というお子さんも中にはいます。
本を読んでいるのに、成績が上がらない。一体なぜでしょうか。
読書をすれば、学力が上がる!
ベネッセが提供している電子書籍の「読書率」と、会員に対して定期的に実施している「実力テストの偏差値」の変化の関係性をみたところ、下記のことが分かりました。
- 読書量が多い子どもほど、学力が上がった
- 算数や社会に読書量との因果関係が表れる
- しかし、読書量は「国語」の学力変化にほとんど影響を与えていない
読書が算数の学力に影響?—読書量と学力の関係を考える ベネッセ教育情報サイト
読書量が多い子どもほど、学力が上がった
「読書量」が多いお子さんほど、偏差値が上がったことから、「読書」は「学力」に影響を与えることが分かります。
しかし、読書が算数の学力に影響?—読書量と学力の関係を考える の記事中にも記載されていますが、このデータは、チャレンジの電子書籍サービスのみの「読書量」になります。
我が家もチャレンジパッドを使用していた期間があり、電子書籍を時々利用していました。
本を買ったり、借りたりする必要がないため、便利ではあるものの、チャレンジパッドが重たくて読みづらい、ページをめくる反応が遅い、文字が小さくて(拡大できるが不便)読みづらいなどの理由からストレスを感じ、あまり利用していませんでした。
ipadで読むようにしたら、チャレンジパッドよりは、便利になりましたが、やはり本で読む方がしっくりきますし、一番使い勝手が良いです。
そのため、読書量が少ない子とこの研究では認識されている子でも、紙の本をたくさん読んでいる可能性があります。
算数や社会に読書量との因果関係が表れる
読書量が増えれば、読解力が育ち、読解力は全ての学力の土台であるから、算数や社会の成績が上がるという結果は納得できます。
しかし、読書量は「国語」の学力変化にほとんど影響を与えていない
と驚かれた方も多いのではないでしょうか。私もその一人です。
読書は良いが、読みすぎは禁物‼️
データその1
東北大学加齢医学研究所 所長の川島 隆太 によれば、2017年度の小学校5年生から中学3年生約4万人の「平日の一日あたりの読書時間」と「4教科(国語・算数/数学・理科・社会)の平均偏差値」を比較したところ、下記のことが分かったそうです。
- 平日に読書を全くしない子の成績は最も悪い。
- 平日に2時間以上読書をする子どもたちの成績は、平日に1~2時間読書をする子どもたちの成績よりも悪い
つまり、
読書をしないよりは、した方が成績が良い。しかし、読みすぎは禁物
と言えます。
読書時間が長すぎると、勉強時間や睡眠時間が削られてしまうことが理由としてあげられています。
お子さんが本を読んでいるのに、成績が上がらないという場合は、勉強時間や睡眠時間を見直してみましょう♩
更に、下記のことも述べられています。
- 小学生、中学生共に最も高い成績を上げているのは、一日1〜2時間読書をする子どもたち
- 若い年齢ほど読書の効果が大きい
- 言語機能の発達のピークは8〜10歳
データその2
平成22年10月21日(木曜日)12時30分~14時30分 文部科学省3階1特別会議室にて行われた「国学力・学習状況調査の分析・活用の推進に関する専門家検討会議(第17回)」では、下記の資料が配布されました。
資料2-2 読書活動と学力・学習状況調査の関係に関する調査研究(静岡大学)
読書活動と学力・学習状況調査の関係に関する調査研究 第1部 (PDF:1069KB)
読書活動と学力・学習状況調査の関係に関する調査研究 第2部 (PDF:1395KB)
これらの資料から分かることをまとめると、以下のようになります。
- 読書好きは、学力が高い傾向にある
- 平日の読書時間は、学力が高い子は、小学校では 10 分以上2時間未満、中学校では 10 分以上1時間未満の読書
- 学力の高い読書好きの子どもは、平日の時間を計画的に使って読書の時間を意識的に生み出している
- 学力の低い長時間読書者は、テレビやゲーム等にも長時間費やしている子が多い
読書好きは、学力が高い傾向にある
「勉強しなさい!」と言うよりも先に、「読書好き」のお子さんを育てましょう♩
お子さんの学力を高めたいなら、幼い頃から、読書に親しむ環境を作り、読書好きに育てることが大切と言えます。
平日の読書時間は、学力が高い子は、小学校では10 分以上2時間未満、中学校では 10 分以上1時間未満の読書
学力が高い子どもたちの平日(月〜金)の読書時間は、小学生は10分〜2時間未満、中学生は10 分以上1時間未満の読書をしているそうです。
お子さんはどのような内容の本を好むでしょうか。
お子さんの性格やその時の流行りなどにも影響されますが、幼い時にどのような絵本に出会ってきたかが大きく影響します。
幼い頃から、本物の良質の絵本、物語を読み聞かせしてあげることが大切です。
どのような本を選んで良いか分からない場合は、コールデコット賞など賞を取っているものを選んだり、50才以上のもの(発刊されてから50年以上経っているもの)を選ぶと良いでしょう。
学力の高い読書好きの子どもは、平日の時間を計画的に使って読書の時間を意識的に生み出している
学力層A(最も成績が良い)では、読書好きの小学校の児童は、計画的に勉強している者ほど読書時間を長く確保しているが、中学生ではその傾向が弱いそうです。
「学力」と「計画性」の関係性を示していますね。
計画性なく、ただ好きなことを行き当たりばったりでやるお子さんよりも、計画性のあるお子さんの方が読書時間を意識的に作り、学力が高いようです。
お子さんと一緒に、1日や1週間のスケージュールを考える時に、朝は〇〇をする時間、学校から帰ってきたら〇〇、寝る前は〇〇など、実現可能な計画を立て、実行するといいですね。
学力の低い長時間読書者は、テレビやゲーム等にも長時間費やしている子が多い
「だらだら読書」をするお子さんは、他のことにも「だらだら」してしまうようです。
ぼーっとしたり、だらだらする時間も必要ですが、だらだらテレビを見たり、だらだらゲームをしたりするのは、おすすめできません。
読書の内容や質が学力と関係があるということ、また、何でも「だらだら」やるのではなく、時間を決めて、時間を守ることが大切と言えます。
- 「読書好き」のお子さんを育てよう♩幼い頃から、読書に親しむ環境を作りを!
- 読書時間よりも「内容」や「質」が学力に影響を与える
- 勉強や読書には「計画性」を!
- 「だらだら」は禁物。時間を決めて、時間を守ることが大切♩
まとめ
本を読んでいるのに、成績が上がらないお子さんは、睡眠時間や勉強時間を削っていないか、まずは、確認しましょう。
読書をしないお子さんよりは、読書をするお子さんの方が学力は高くなります。
しかし、だらだらと読みすぎるのは禁物。
お子さんを「読書好き」に育てることや、読書の「内容や質」にも注目すること、更には、「計画性」や「時間を守る」ことも忘れてはいけません。
https://yoriiku.com/reading-books-to-children